2017年8月10日木曜日

思い出の姉妹校再訪

 前回の「これはスウェーデンではないかなと思った日本の保育園事情」、妹から、岐阜弁がすごいとお褒めを。岐阜といえば、世界遺産の白川郷を思い浮かべる方が多いようで、その昔、岐阜から来たというと、「まあ、あんな山奥から」といったようなコメントをいただくことがありました。といっても、私は平野部出身なので、山はそばにないところで育ったのですが。。。そんな平野部で生まれ育ったので、実は、都会のホテルに泊まるのが苦手だったりします。地震があったらどうしようかと本気で考えてしまいます。

 
 なかなか進まない日本滞在記ですが、他の方の旅行記とか見ると、本当に感心します。写真とともに、食べたものとか紹介してあったりすると、いいなー、楽しそうだなあと思います。が、そんなマメさは私にはなく。。。今週は、夏の休暇、最後の週で、来週から仕事なので、書かなければならない原稿と真摯に向き合って、毎日を過ごしています。


 妹の友達と一緒にちらっと「放課後等デイサービス」を見て、大学時代の友人に会いがてら「児童心理療育施設」みて、その間に保育園の七夕お遊戯会を見て、そして、次は、広島の姉妹校を再訪しました。日程的に、この日しかだめなのですが、訪問できませんかとお願いしたら、校長先生、教頭先生、快諾くださり、お邪魔することができました。姉妹校には、過去2回同僚たちをつれて訪問していますが、ずっと通訳をしていたため、もう一度ゆっくり見たいなあと思っていました。日本の学校は職員の異動があるので、あまり間が空いてしまうと知らない先生ばかりになってしまうので、その前にと思っていました。

 前日は、尾道により、こんな景色を楽しみました。大学生の時に一度訪れたことがあった尾道、懐かしかったです。今度はしまなみ海道を自転車で渡ってみたいなあと思います。

夜は雷に大雨で、警報も出て、学校はないのではないかと心配していましたが、そんなことはなく、普通に学校やっていました。この日はちょうど学校案内の日だったので、私も見学者に交じって説明を聞き、授業を見学してきました。朝から、子どもたちが帰るまで自由に学校を見学させていただき、やはり、いろいろ聞けなかったことなどを聞けて、先生方といろいろ話もできて、勉強になりました。

学校には姉妹校プロジェクトのコーナーもありました。こうしてこうして再訪できたことをとてもうれしく思いました。懐かしい先生方にもお会いすることができ、スウェーデンを訪問してくれた生徒さんと保護者の方にも合うことができました。2012年に始まったプロジェクトがいろいろと思い出された訪問でした。


2017年8月7日月曜日

これはスウェーデンではないかなと思った日本の保育園事情

 日本滞在中に楽しみにしていたのが、甥っ子姪っ子の成長を眺めることでした。一番小さい甥っ子は、すぐ下の妹の子で4歳。お口が達者でごねてばかりいるので、ついたあだ名は「ごねちゃん」。ごねちゃんは、見ていても面白いし、話をしていても面白いです。

 このごねちゃん、保育園の年少さんなのですが、私が日本についてすぐに「七夕お遊戯会」というものがありました。このお遊戯会に関連して、「これはスウェーデンではありえんな。。。」と思ったことがありました。以下、ごねちゃんとの会話から。。。

私:「今日保育園でなにした?」
ごねちゃん:「リバーサルした。」
妹:「お遊戯会のリハーサルやね。」
ごねちゃん:「リバーサルやて。」

と、毎日、今度の土曜日にあるお遊戯会のリハーサルをしてるようです。リバーサルらしいですが。土曜日の午前中に小学校の体育館で行われる、このお遊戯会、私もせっかくなので、見に行くことに。で、お遊戯会には、全員、「浴衣」で参加することになっているとのこと、体が少し小さいごねちゃんに合わせて、浴衣を直すことにしました。

私:「ごねちゃん、ちょっと、こっちきて、浴衣長さ合わせるで。明日お遊戯会で着るでしょ。」
ごねちゃん:「いやや。きいへん。」
私:「みんな、きてくるよ。」
ごねちゃん:「きいへん。Aくん(大好きなお友達)着るって言ってなかったし。先生もそんなこといわなんだ。」
妹:「おにちゃんもみんな着てたでしょ。みんな着てくるよ。」
ごねちゃん:「きいへん、リバーサルで着んかったし。」

と、浴衣は着る気なしで、口ばっかり達者な4歳児は、リハーサルで着なかったと、もっともらしい理由をいい、ああだこうだといいます。ま、着なくてもいいから、長さだけ合わせるかということで浴衣を直し、翌日持っていきました。みんな他の子は、家から着てきていたけど、ごねちゃんは、「着ない」というので、持っていくことに。浴衣を着て歩いている子たちをみても、着ないと。結局、先生に浴衣着ないというのでと、浴衣とごねちゃんを渡すと、さすが、慣れています、さささっと、服を脱がせて、着せてしまい、はいできあがりと。周りには、数名嫌がって泣いている子もいましたが、ごねちゃん、着せられてしまえば、なんてことはない、にこにこと座っていました。

で、私が一番驚いたのが、来ていた子ども、みんな浴衣を着ていたこと。リハーサルで着せることもなく、お便りに書いただけで、これだけみんな浴衣を着せてくることがすごいなあと。岐阜の田舎ですし、みんな兄弟や親せきなどからもらったものがあるにしても、持ってくることが大前提で行われていることに驚きます。こういうのはスウェーデンではないかなあと感じました。下手すると、法に触れるんじゃないかとまで思ってしまったくらいです。


お遊戯をすれば、みんなそれなりに踊れていて、踊れない子がいないことにも驚きました。多少動きが鈍い子や立っているだけの子はいても、大きく外れてできない子はおらず、今年はたまたまとは聞いたけど、それでも、日本だなあと逆カルチャーショックを受けました。日本の子どもたちは、早いうちから集団で動くことを教えられ、机について何かすることを覚えます。スウェーデンの保育園で働いていたころは、なれなくてつらかった外保育ですが、何年もたち、今ならあの教育の良さを感じることができます。均等で、均一な集団をみて、異質だと感じるようになったのは、やはり外国暮らしが長いからなのか、特別支援教育に長くかかわってきたからなのか。。。保育園事情、就学前学校の状況も大変興味深いと思ったお遊戯会でした。

2017年8月4日金曜日

児童心理療育施設とは

 普段フルタイムで働き、勉強もしていると、なかなか隅々まで掃除ができないので、夏の休暇中は大掃除をするようにしています。スウェーデンでも、クリスマス前に大掃除をしたり、イースター前に掃除したりする習慣はあるのですが、私は、夏の休暇中が一番時間もあって気分がよいので、この時にやるようにしています。ということで、昨日は、キッチンとバスルームの大掃除。きれいになりました。

 今日は、日本で見てきた施設や学校の中から、児童心理療育施設について書こうと思います。私は岐阜県出身で、今回見てきた施設は、岐阜県関市にある社会福祉法人、桜友会の児童心理養育施設、桜学館です。

 この施設は、2005年6月に岐阜県内初の施設として建てられました。児童心理療育施設ということで、心理的な要因により、学校生活になじむことができず、不登校やひきこもりや、いじめなどの問題を抱えた子どもたちが、一時的に、親元から離れて施設で暮らしながら、心理治療と生活指導を受けることができる施設です。近くの小学校と中学校の分級という形で、正規の義務教育を受けることができるように設置された特別支援学級が敷地内に併設されており、子どもたちは、衣食住を一体化させた総合環境療法というものを受けているとのことです。

 私はこういった施設があることを知らず、前回帰国したときに大学時代の友人から聞きました。2005年にできたとあるので、私がスウェーデンに渡った後にできた施設ということで、時代の流れの中でできてきた施設なのであろうと思います。県内唯一のこの施設、全都道府県に作られるように国から指示があったということですが、いまだにないところもあるようです。


 施設内の印象は、家庭的な雰囲気が漂っていて、病院のような感じはせず、温かみを感じました。3回建ての生活棟には4ユニットあり、各ユニットは12人定員ということでした。ただ、12人だと少し多いと感じるようで、状況に合わせて定員よりも少ない人数の場合が多いそうです。今回もだいたい8人程度ということでした。部屋は、個室2部屋二人部屋2部屋4人部屋一部屋になっており、2人部屋を一人部屋に直したりして、できる限りプライベートを重視していることもわかりました。部屋には漫画などもあり、少し物が少ない普通の子どもの部屋という感じでした。浴室は3部屋あり、自分で入り、洗濯も自分でするそうです。生活指導はこの施設の一つの要になっており、基本的生活習慣を身に着けることはもちろんですが、独り立ちをしていくための様々な課題を身に着けていくことにも力をいれているそうです。

 施設には、指導員さんに加えてセラピストいて、心理治療を行っています。ひきこもりや不登校の子どもは昼夜を逆転させていたり、生活のリズムがつかめていなかったりする場合が多く、そういうところから順番に支援、援助していくそうです。学校に行ける子は、敷地内の学校に行き、登校が難しい子は施設内で勉強をするそうで、学校の先生とは常に連携をとっていて、確かに隣接しているとやりやすいだろうと感じました。

 脱施設化が叫ばれるようになり、子どもを施設に入れるということがあまりなくなったスウェーデンでは、里親などを利用する場合はあっても、このような施設を一般的には見かけません。(全くないわけではありません。)里親になりたい人の数にも限界がありますし、当たり外れがあるのも事実である現実を踏まえると、できる限り、家庭的な環境で、専門的な援助を受けながら、問題と向き合えるというのは、一つの形ではあるかなと感じました。

 

 分級になる学校も見学をして、分級というくらいなので、小さな教室をイメージしていましたが、そんなこともなく、明るい学校で、先生と子どもたちが頑張って勉強していました。籍を残したままで、分級で学ぶので、スウェーデンでその昔あった、「リソース学校」と呼ばれる学校によく似ていると思いました。スウェーデンの場合、入所という形はとりませんが、籍を残し、元の学校に戻すことを目的としているというところでは似ています。ただ、なかなか元の学校に戻れない、戻せないという問題が出てきて、リソース学校そのものが問題視されてしまったスウェーデンの現状を伝えると、同じような状況がなきにしもあらずだと。

 本校とはあまり交流がないそうで、分級は分級で、年間を通じて様々な行事を行い、子どもたちが前向きに問題と向き合いながら、学習している姿が見えました。先生方は、心理的な問題を抱えた子供たちということで、難しいことも多い中、頑張っていらっしゃるのだと思いました。

 スウェーデンでも、引きこもりや不登校の子が増えていることは、問題になっています。こういった施設は現実的ではないにしても、専門的なケアと生活指導を一体化させた方法を家庭と融合させて行えれば、何かしらの糸口が見えるのではないかと感じた訪問でした。







2017年8月1日火曜日

自殺予防のプログラム

 ちょっと前に、こんな記事を書きました。興味ある方は、ぜひご一読を!
「ピアス感覚」で体内に認証チップ注射、「バイオハッカー」になればSuicaもカギも不要?

 興味深い記事がDNに上がってました。内容は、自殺を減らす教育をストックホルムの生徒に行うというもの。私も身近なところで自殺をした人が数名いて、「生きていく」ということが決して容易いものではないと実感しており、自殺を知識として知ることはとても重要であると思います。ここ15年で、スウェーデンの自殺者は、約20%ほど減っているるとのことですが、若者や青年に限るとその傾向が見られず、ストックホルム県内では、2015年に35人の15歳から24歳の若者が自殺をしたそうで、2014年には、454人が自殺未遂をしたそうです。長く暗い冬のせいにされることが多い自殺ですが、それだけが理由ではないと思います。

 このプログラムは、既にEUの10か国で11,000人の生徒に対して行われたそうで、プログラムには予防効果があり、新たな自殺未遂が半分に減ったとのことでした。そこで、スウェーデンでも、まず、ストックホルム県内の生徒たちに試しに行ってみるということでした。「Youth Aware of Mental Health」の頭文字をとって「YAMプロジェクト」と呼ばれるこのプログラムの一番の目的は、若者にうつ病や自殺願望、人生の危機における対処の仕方、精神的な不健康に関する知識を持ってもらうことと、健康的なライフスタイルによって精神の健康を保つ方法を学んでもらうというものだそうです。

 2016年秋学期には、25校、約3,150人が受け、このうちの約20校、約2700人の生徒が終了後のアンケートに答えており、今後の研究に生かされるようです。この秋からは、さらに93クラス、約2,500人の生徒が受けることになっているとのこと。今後の目標としては、ストックホルム県内すべての学校でこのプログラムを行うことだそうで、EUの時と同様に成果がみられることが条件となります。


 プログラムは5時間で3週間にわたって、7年生と8年生(中学1,2年生)に行われるということで、割と手軽に行えるイメージを受けました。生徒たちが考える時間を持てるように、間をあけて行われるようで、ロールプレイをしたり、討論をしたりする時間もあるとのことです。主な内容は以下の通り。

  • 精神的に不健康に陥りそうな、もめ事や困ったときの対処の仕方に関する知識を学ぶことにより、自分の身に起こる出来事に対する対処する力を身につける。
  • 様々な精神状態の体が発する信号を学び、自分自身や友達を助ける方法を学ぶ。
  • 学校の生徒の健康にかかわるチームの専門員や教員、そのほかの学校職員が精神の健康に関するより深い知識を持つ。

 書かれていたロールプレイの内容は、「みんなランチを食べ終わり、自分一人がランチルームに残ってしまたらどうするか。」や「酔っぱらった人の運転する車に乗るか。」といった、単純な起こりそうな人生の出来事から考えさせるようです。そこから、「先生や友達にいじめられたらどうするか」や「妊娠してしまったり、家庭に問題があったらどうするか。」と徐々に深めていくとあります。

 中学生で自殺をすることは、そういった考えを持つ前にただし知識を持つことにより、精神的にも健康に生きる生き方を身につけ、体の出す信号に気を付けるようにし、自殺の前に助けを求められる人になってもらうということだと思います。プログラムを行うときは、常に複数で行い、途中で何らかの兆候を見せる生徒には、学校の専門チーム、医療機関と連携をして、対処をするそうで、既につらい状況に置かれている生徒にとって、こういった内容を勉強することは簡単ではないので、専門の人々がついていることは大きいと思います。

 どんな人がどんな風に実際に行っているのか大変興味深いプログラムであり、きちんとしたプログラムが作られ、精神の健康や自殺について早いうちから知識を持つことはよいことであると感じました。

読んだ新聞記事:DN, 2017-08-01, Ny utbildning ska minska antalet självmord