2016年7月21日木曜日

スウェーデンの老人ホームの種類とは?

 時間があるので、ためてあった新聞記事を読んで片付けています。ブログに書くのもあれば、さらっと読んで捨てるものもあります。今度のテーマは、老人福祉です。記事を読んでいて、まず気になったのが、いわゆる老人ホームの種類です。2016年3月現在の形をまとめていこうと思います。


 スウェーデンには、老人のための住居というと、まず、大きく二つに分けることができます。一つ目は、社会福祉の法律によって認められた場合に入れるホームで、もう一つは、法律など関係なく、個人で順番待ちに並び入ることができる住居になります。それぞれに、また複数のタイプの住居があります。


グループ1:法律適用で入れる住居

  • 老人ホーム(Äldreboende):24時間職員がいる、いわゆる老人ホーム。一度入所すると理由がない限りは、そのまま最後の時まで住むことになります。自分の家具などを持ち込むことができ、部屋が与えられます。入所できる人は、かなり介護の必要なレベルの老人になります。入所するのは難しく、入ってから半年から1年で亡くなる人が多いとも聞いています。
  • サービスホーム(Servicehus):各自自分のアパートに住むのですが、ホーム内に職員がいるのが大きな特徴です。ホームヘルパーを利用して、必要な介護を得ることになります。サービスホームの数が減っている現状では、入れる方は、アルコールや薬など何らかの依存症であったり、心の病にかかっていたりするなど、老人で何らかの大きな問題を抱えていることが前提のようです。
  • 短期入所施設/ショートスティホーム(Korttidsboende):ある一定の決められた期間だけ入所できる施設で、病院に入院した後に短期で入所したり、介護者の休養の間入所したりします。職員は24時間体制。
  • プロフィールホーム(Profilboende):例えば、65歳以下の認知症の方のための老人ホームといったような、特別なプロフィールを持った老人ホーム。


グループ2:個人で自由に入れる住居

  • シニアホーム(Seniorboende):たいていのアパートグループや会社が持っている、55歳以上の人だけが入れるアパート。場所が街の中にあったり、共有スペースがあったり、アパートの作りや大きさが老人向けになっていたりするアパートになります。
  • 安心ホーム(Trygghetsboende) :2008年にできた住居形態で、まだ新しいので数は少ないのですが、老人ホームに入るには元気だけど、一人もしくは自分たちで暮らすのは不安という方向けのもので、老人ホームとの大きな違いは、食事や医療などの部分が含まれていない点にあります。この安心ホームは、結構値段がするのが問題で、毎月の家賃を年金では払えない人が多く、入れる人が限られているようです。共有のスペースや食事ができるところが建物内にあるところはシニアホームと似ていますが、シニアホームよりも入る人の年代が上になるとあります。
  • 中間ホーム(Mellanboende):これが新しく今作られている、今後増えていくだろうと思われる老人のための住居になります。サービスホームに近い形で、アパートの建物内に共有のスペースがあり、食事やお茶を取ることができ、老人介護ができる職員がいる施設で、ホームヘルパーを利用しながら、暮らすことができる住居形態です。まだ数はないので、今後どのくらい増えるかはわかりませんね。



 グループ1と2では、よく似ているところがありますが、グループ1は、国からの福祉のお金が多く出て、2は自助努力というか、自分たちがもっている経済的な余力と知識でなんとかという感じがしました。スウェーデンは、こうしたシステムがちょくちょく変わるので、現状を整理してみました。引き続き、老人福祉について見ていこうと思います。


読んだ新聞の記事:"Äldre&hemma, Äldre i Stockholm Del2: Gunborg, 83, är för frisk för att få bostad", DN, 2016-03-15

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