2016年7月18日月曜日

増加の一途をたどるストレスによる病休

 何回か第一教諭について書きましたが、テーマを変えて、スウェーデンにおける現代の心の病について書いていこうと思います。

 スウェーデンでも、ストレスが健康に与える影響が問題となっており、ストレスを原因とする病気休暇の増加が社会問題となっています。これについて、Visionという組合が行ったアンケート結果を行いました。


 まず、数字で見てみると、

  • ストレスによって病休となった社員によって、雇用主にかかる経済的負担は、最低でも150,000スウェーデンクローネ(日本円で約200万円ほど)。
  • 病休が長引き、燃え尽き症候群やそれに伴ううつ病となった場合、雇用主にかかる経済的負担は、最低でも500.000スウェーデンクローネ(日本円で約650万円ほど)。


 ストレスによって病休となる人が年々増加をし、その増加率は驚くほど高いです。男女比で見ると、男性より女性の方が高く、職種としては、心理学者やセラピスト、ソーシャルワーカーや学童の職員などが最も多いとあります。これらの職種は、福祉に関わっており、学歴も要求されるし、日常的に多くの人々接していかなければならず、これらの職種では、女性のみならず、男子も多いということでした。

 記事には直接書かれていませんが、私でも想像できる原因としては、福祉の分野はここ数年効率化が強く求められているし、移民や難民の増加に対応するのはこの分野であり、仕事量が増えているのだろと思います。私の知り合いでもソーシャルワーカーだった方が、あまりの仕事の多さと無理難題に転職しました。そういう状況で真面目にやっていれば、きっとストレスが原因で病気になってしまうのだろうということは、想像に難くありません。

 記事の中では、福祉に関わる職種で多いという結果に、この状況を改善しなければ、福祉の質が落ちていってしまうだろうとあります。この状況を見て、2016年3月末に導入された新しい法律があり、この法律によってなんとか状況が上向きならないかと多くの方が思っているようです。その法律などについて、次で見ていきたいと思います。


読んだ新聞の記事:"Jobbstressen börjar bli ett allvarligt hot mot vår hälsa", DN, 2016-03-31

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