2015年7月20日月曜日

適切な教育を受けていない職員が多いスウェーデンの幼稚園

 久しぶりにスウェーデンの幼稚園について。スウェーデンで幼稚園に当たるのは、「Förskolan(フォースクーラン)」と呼ばれ、学校の前にいくところになるので、日本では「就学前学校」と書かれることが多いようですが、私は幼稚園としてきました。行っている内容からすると、保育園って感じなのですが、管轄が教育関係であり、教育要領にあたる文書もあるので、幼稚園ということで。

 前置きが長くなりましたが、そんなスウェーデンの幼稚園で働く職員のうち、実に4人に1人(21%)が、幼稚園教諭の免許/資格を有しない、高校で子どもに関する勉強をしてきていないということが、学校局の調査で分かりました。これが民営の幼稚園に限るとなんと37%。子どもについて関心のある人が働いていると思うのですが、教育を受けていないということは、幼児教育に対する敬意と理解が欠如しているように思います。

 スウェーデンの幼稚園で働いていて、日本とは異なった保育と幼児教育のあり方に、同僚の中でもきちんと教育を受けてきたかに差があったことを思い出します。また、それによってやる気に大きな差があったのも事実です。やる気のある先生は、あんまり園の状況がひどくなると、大学に勉強しに行ったり、新しい仕事を探してかわっていってしまうので、ひどい園は本当にひどいのだろうとも。


 最近は、幼稚園教諭養成コースは人気を回復していると聞いていて、先生とともに幼稚園教諭も不足している職業なので、有資格者が増えると良いと思います。スウェーデンの幼稚園教諭コースは、小学校の低学年を教えることができる資格を兼ねているものもあり、また、小学校に就学前クラスという6歳児のクラスがあり、そこも幼稚園教諭が教えるので、お給料が多少良くなり、勤務体制にも差がある小学校での勤務を希望する人も多くいます。そうなると本来の幼稚園に有資格者が減ってしまいます。規定で幼稚園教諭の資格を持った職員の配置が決まっており、大抵の場合は、3人職員がいるとしたら2名は幼稚園教諭、1名を保育士さんという形です。(コミューンの方針に違いがあります。)


 子供達がよい幼児教育をうけることができ、資格のある人がそれに見合ったお給料をもらってよい環境で働くためにも、こういった現状を考えていくことは重要であると思います。


読んだ新聞記事:Förskolepersonal saknar utbildning, Dagens samhälle 2015



 

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