2014年6月20日金曜日

「カナヅチ」という概念のないスウェーデン

スウェーデンの学校教育で体育は、「Idrott och hälsa(運動と健康)」といいます。この体育の成績で不可を出さないように、ABCDEの5段階評価のうちEの評価でいいので修めようと思うと、いくつかできないといけないことがあります。その中の一つが、
最低でも、平泳ぎで200メートル、背泳ぎで50メートル泳げること
というのがあります。ちょっと驚きました、私。スウェーデンは、湖などで泳ぐ習慣があり、毎年夏には溺れてなくなる人がいるため、子どもが「泳げるようになること」はとても重要です。でも、人間って、誰でも泳げるんだろうか。日本で育った私は、「カナヅチ」という言葉があることを知っているので、同じような言葉があるのか考えてみたけど、今のところスウェーデン語では見つかっていません。このブログを読んでいる方で、「知ってるよー。」という方がいらしたら、是非、コメントください!
泳げない人がいてもおかしくないと思うんですよね。私は。。。こういう成績の評価基準を設けるのって、ちょっと難しいのではないかと思ってしまうのです。。。

そんなことに関する新聞記事がでていました。ストックホルムの6年生から9年生の生徒のうち、875人の生徒が、泳げないことによって、体育の成績が出ない可能性があるとのことでした。このうち、9年生の生徒は、卒業に際しての最終成績が出ないので、かなり問題です。
そこで、ストックホルムでは、昨年夏休みになると同時にスイミングスクールを開催しました。67人が参加し、そのうち26人が200メートル泳げるようになり、19人が25メートル以上、45人が25メートル泳げるようになりました。この良い結果をもとに、ストックホルムでは泳げない生徒を対象にしたスイミングスクールを今年も開催しています。875人のうち、このスイミングスクールに参加するのは、400名ほど。昨年に比べるとかなり増えており、400名の参加者の多くは、9年生だそうです。スイミングスクールは、1日80分。参加は無料。ストックホルム市内のいくつかのプールで開催されます。ちなみに参加できるのは、(ストックホルム市内の公立学校に通っている生徒です。)

こうした泳げない生徒の中には、移民の背景を持った生徒たちが多いと聞きます。うちのコミューンでも、泳げない子どもは、早くから週に1回のある水泳の練習に参加します。スウェーデンでは、夏になると近くの湖で泳いだり、別荘のそばの湖で泳いだりして、小さい頃から水に親しむ習慣があります。こういった習慣のない国から移民でやってきたり、親が移民であったりする場合は、泳ぎを習うのが遅かったり、もしくは文化的に水着で男女ともに泳ぐことがしにくかったりします。
それでも、スウェーデンでは、「泳げない」ことは、「生死に関わる問題」として、必ず泳げるように子どもをすることになっています。
泳げないよりは、泳げた方がいいと私も思います。私は、夏でも滅多に湖では泳がないのですが、(ただ、単に水が冷たいとおもうからなのですが)スウェーデンでは、よく泳ぐので重要だと思います。教育はやっぱり、その社会や文化に根付いたものなんだなあと改めて思います。
読んだ新聞記事:Simskola ska rädda barnens slutbetyg 20140609

2014年6月19日木曜日

学校に満足している生徒と満足していない先生

先日の新聞に、スウェーデンの学校に関する新しいレポートが出ていました。それによると、スウェーデンは、学校に満足している生徒が他国に比べると多く、これに反して、満足していない先生も多いとあります。今回のレポートは、1995年からスウェーデンが関わってきた、40ほどの国際的な調査を比較した結果をまとめたものだそうです。

 この結果で特徴的だったのが、中学2年生の3人に2人が「友達から嫌な目にあったことは、まったくない、ほとんどない」と答えたことでした。これは、他の国と比べると、かなり高い数字だそうです。これに対して、クラスでの規律はスウェーデンはかなり低いとありました。

 これに加えて、先生たちの労働環境に対する意識では、先生という仕事に満足している教師は30%以下、「あまり満足していない」と先生は10%以上。45カ国を比べると、スウェーデンの教員よりも自分の仕事に満足していない国は、フランスのみ。
 
 教室の規律はあまりなく、教員が苦労していて、自分の仕事に満足していないと、生徒は満足するのか?!というのは冗談で、生徒の満足感は、スウェーデンの学校にある差別やいじめに対するプランなどがそれなりに機能して成果を上げているためかと思いました。また、教員の不満足は、ここ数年言われ続けている学校に対する不満と不信が関係しているようにも思います。ここまでメデイアでいろいろ取り上げられれば、なかなか自分の仕事は素晴らしいと誇らしげに思うことはできないのではないかと。

 スウェーデン、学校に対する生徒の満足度は、比較的良い印象があります。フィンランドは、逆なんですよね。けっこう、生徒が学校を嫌っているという話を聞きます。生徒も教師も満足して、生徒がしっかり学べる学校教育ってあるんでしょうか。不思議です。