2011年12月2日金曜日

スウェーデンの田舎から学校が消える

スウェーデンの学校制度にないもので、日本が優れていると思うのに、

どんな田舎の学校にでも、免許をもった有資格の教員がいること

があります。こちら、スウェーデンでは、2015年の秋から、教員免許を有する教員のみが成績をつけられるなどの法律が本格的に始動するにあたり、多くの田舎の学校が閉鎖されるという危機に立っています。今まで、ここを許してきたということが信じられないのですが、まあ、それは、何度も書いてきたことなのでおいておいて、2015年にはまだ、数年あるのですが、今から田舎の学校では、閉鎖の話が出ている学校もあるようです。理由は、それまでに、資格をもった教員を確保できない、現在の教員が資格を補充することができないなどの現実的な問題を抱えて、少数の田舎の学校(低学年の子どもを集めた学校である場合が多い)を近辺の学校と統廃合しようという話があるようです。これは、北のほうの学校であった話ですが、似たような話をちらほら聞きます。

この元には、教員免許以外にも、今回の法改正でいろいろと変わった点を補う経済的な予算がないこと、もともと少人数の学校を運営するのは予算がかさみ、多くの市では減らしたい傾向にあることなどなど、ほかの要因も加わっているようです。また、スウェーデンには、子どもが学校に通うまでにかかる時間や距離に関する決まりがないため、もしも、子どもが毎日通学に2時間半かかっても、それをとめることはできないということもあります。このあたり、日本にそういうことに関する法律があるかどうか分からないのですが、実際に自分の子どもが、毎日2時間半車の中ですごすというのは、親にとってあまり好ましいものではないようには思います。

これに関して、日本の教員採用制度を同僚に話したところ、確かにいい方法ではあるが、

やっぱり、自分でどの学校に勤めるか決めたい

とのこと。まあ、確かにそうだろうなあ、お国柄と思いました。こちらでも、配置換えや学校が変わることもあります。が、基本的には、採用された学校勤務になります。市の学校だと、採用された学校がどこであれ、市の職員となるため、その後の学校の状況によって違う市内の学校勤務になる場合もあります。また、前出の免許の関係で、今後配置転換が増えるだろうともいわれています。これは、たとえば、同じ市内である学校に数学の先生が複数いて隣の学校にはいない場合、希望を聞きながらだとは思うけれど、先生を入れ替えたりしていくことになるという指針をうちの市ではやんわりと聞かされました。

今後、このような展開によって、田舎の子どもたちが不自由な生活を送ることがないようにしてほしいなあと思ったのでした。

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