2011年11月2日水曜日

社会性と感情のコントロールを訓練する・・・SET

今日は、仕事を13時半に終え、秋休みに入りました。木曜日と金曜日はお休みなので、ゆっくりしようかなあと思っています。

 月曜日にあった講演会の内容が大変興味深かったので、紹介したいと思います。

 近年、欧米社会では、若者たちの精神的な健康状態がよくないことが問題になっています。ここ、スウェーデンでも、10代の若者たちの精神的な不健康がよく取り上げられています。これに対応するためには、小学校の低学年から、早ければ早いほどいいといわれています。その中のひとつの方法としてここ数年用いられているのが、こちら。

SET Social och Emotionell Träning
 社会性と感情のコントロールの訓練

 話の始めは、危険因子と保護因子について。危険因子とは、たとえば、親がアルコール中毒だとか、うつ状態だとか、そういった子どもが危険に陥る可能性のある内容のことを指し、その数が多ければ多いほど、子どもの精神状態が悪くなる可能性が高いというもの。これに反し、保護因子とは、そういった危険から子どもを守ることができる内容を指し、たとえば、よい先生に会うとか、掃除のおばちゃんと親しくなってとか、近所にいい兄ちゃんがいるとかなどです。学校や先生は、この保護因子になれる可能性が高く、また、成績がいいとか、勉強で落ちこぼれないといったことでも保護因子になるため、先生の持つ役割は大変大きいという話でした。

 このあたりの話がとてもスウェーデンぽいと思いました。理由は、スウェーデンが科学的に証明されることにかなり重きをおいており、日本では当たり前のような話でもえんえんと数字を用いて話がされます。こういう風だから、教育分野の研究が遅れるんだろうなあと想像しつつ、でも、科学的に証明されることは大変いいことでもあるので、じっと聞いていました。

 予断ですが、同僚の何人かは、このあたりが退屈で脱落した方も。。。仕方がないですよね。夜遅かったし。

 若者の精神状態が健康でないという事実の中に、アルコールの摂取に関する問題があります。スウェーデンでは、10人に1人が11歳からお酒を飲んでいるということで、その摂取量はかなりなものです。これは、どちらかというと、裕福な地域の問題であるようで、若者のアルコール問題が深刻なのは、ストックホルムでも北のほうが多いとか。。。ちなみに南で多いのはうちの市。中流家庭がおおいからだそうですが。。。

 こういったアルコール、喫煙などに関する情報を与えていくのも学校の役目であり、そういう内容かなとおもっていたら、このSETというのは、社会性をみにつけるために、自分の感情のコントロール方法を、学校で学んでいくというものでした。
 子どもたちには、最低週1回の授業がトレーニングとして行われ、内容はたとえば、グループワークであったり、ロールプレイであったりするようです。このトレーニングをするために、教員がトレーニングを受け、コーチがついて行われるというもので、大変面白い内容でした。分野がいろいろあり、たとえば、問題解決能力とか、感情のコントロール方法とかあり、ひとつひとつの分野を何回かに分けてトレーニングし、子どもたちがちいさいうちに身につけさせるというものです。多くの障害が社会性がないことや感情のコントロールが未熟なことが含まれ問題になるので、こういったトレーニングが有効であるように思います。
 また、理解して覚えることもあれば、経験してやってみて覚えることもあるので、そういう面でもこういった感情や社会性をトレーニングするのは大変有効であるように思います。

 この内容ではどんなのかわかってもらうのは難しいかなとも思いつつ、日本にもあるのかしら、こういうの。ないのなら、紹介してもいいなあと思えるような内容でした。

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