2011年10月29日土曜日

先生の労働環境の悪化

数日前の新聞に先生の労働環境が厳しくなってきているという話がのっていました。ここ数年の教育改革の流れで、スウェーデンの先生たちも日本の先生と同様に書類などの事務仕事が増えているのに、ほかの仕事が減らされておらず、労働環境が悪くなっているということでした。

 記事の中に、現役の先生の話が出ていたのですが、

このまま、仕事が増加し続ければ、教員という仕事を続けていくかどうか考えなくていけない

と、切実な言葉が語られていました。これに関して、私も同感。日本で教員していたときも、その仕事量の多さと自分の性格を考えると長く続けるのは難しいのではないかと思いました。今は、仕事の量というよりも、肉体的な部分で今の仕事を考えるときがあります。私の場合、重度の障害児を教えているので、いくらリフトがあるといっても、持ち上げたり、移動させたりと、体力的な部分が多く、体がしっかりしていないとできません。腰をいためて違う仕事に変わっていく同僚もいます。そういう部分を考えると今後、仕事が増え続け、予算が削減されていくと、この仕事を続けていくのが難しいのではないかと思うときもあります。今できることとして、筋力トレーニングに励んではいますけどね。

 仕事の量に話を戻すと、成績や評価に関する仕事が増えてきたように思います。このあたりは、今まであいまいだったことに加えて、スウェーデンで成績が出される年齢が遅いのもあり、ここ数年の改正で、評価をしっかりするということになった部分を負担に感じている先生が多いようです。評価して当たり前じゃないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、スウェーデンの評価は日本の評価よりもきっちりしているかなあと思います。といっても、今の日本の評価のあり方がよくわからないので比べられないんですけどね。

 単元ごとに授業計画を立て、そこに評価の仕方や目標などを書きます。それを元に評価をしていくのですけど、このあたりが今まであまりしっかりと強調されてこなかったので、ここに来てこういった文書作成や評価に戸惑う先生が多くいます。日本のように教科書がそれに対応しているような場合はまだいいのですが、そのあたりもまだまだ未開発なスウェーデンでは、各先生や学校によって大きく違うように思います。結局、先生の性格によるというか、しっかりやっていきたいような先生は仕事がたくさん増えてしまい、上記のような先生のコメントになってくるようにも思います。適当にやっている先生たちにとっては、あんまり関係ないのかもしれないなあとも思いつつ。

 今学期からカリキュラムが変わったこともあり、今までのものを回して使えないというのもあるのかもしれません。私も何度もカリキュラムに目を通し、前と違う部分などを確認しつつ、授業計画を立てているので、慣れるまではやっぱり、何でも大変です。

 労働環境が悪くなって、よりいっそう多くの人が教師を辞めていくとどうなるんだろうかと思いつつ、まあ、そんなにすぐにはならないだろうからいいかなあとおも思いつつ。。。

 秋休みなので、ゆっくりしたいと思います。

2011年10月15日土曜日

授業案作成が役に立った

あっという間に過ぎた今週。土曜日なのに、5時半おきです。うちのお犬様、ひざを故障し、今週の頭に手術をしたので、抗生物質を12時間おきにのまなくてはならず、毎日朝の6時半と夜の6時半に飲ませています。うちのお犬様はものすごく神経質なお腹をしているので、この手術で胃炎になり、食事1時間前に薬を飲まなくてはならず、5時半おきなんです。子どもが病気になると親が大変という気持ちが少し分かった気がします。

 さて、今週ですが、かなりの時間を授業案の作成に費やしました。スウェーデンでは、日本の授業案にあたるものを、

Lokal Pedagogisk planering
と呼び、頭文字をとって、
 LPP
といいます。

 どんなものか見たい人は、多くの学校が学校のホームページにのせているので、見てみるといいかと思います。

 で、うちのような特殊な学校では、この授業案が難しく、今まで話しにあがっては消えていました。でも、今週の研修で、わたしが書いた日本風の授業案をほかの先生がこんな風に書くといいといって、それをもとに授業案を作成し始めたのです。

 わたしが書いた授業案は、いわゆる日本の授業研究案を簡単にしたもので、スウェーデン語でカリキュラムをもとに書いたのです。内容は、今学期取り組む予定のわたしたちの町についてでした。わたしのクラスではじめたんだけど、ほかの先生も興味をもってくれたので、その先生にわたしの考えを書いた案を渡したのが始まりでした。わたしは、アシスタントが3人いるので、こういった特別なことをする場合は、しっかり考えを話し合いたいので、案を書く場合があったのです。それがよかったようです。

 で、ほかの先生と一緒にほかの授業についての案も書こうということになりました。時間を費やしたけど、楽しいし、自分たちがやっている内容を理解する上でも大切なことなので、有意義なものだと思いました。


 日本では、授業案を書くことをかなり早いうちから、やらされるし、読む機会も多いので、こういった経験が役にたちました。スウェーデンのLPPの場合、目的などもさることながら、どのようにして成績がつけられるかが明確になっており、その部分を生徒や親がしらせる目的もあります。この部分が日本とは少し違います。

 授業案を書くことで、授業に対する教師の思いを明確にするというのはどの国でもかわらないことですけどね!

 今日は土曜日、みなさん、よい休日をお過ごしください。

2011年10月7日金曜日

先生のコーチング

10年前くらいになるでしょうか、「コーチング」が有名になったのは。。。今ではすっかり定着していますよね。

 このコーチング、ストックホルム市でこの秋から教員に用いられることになったそうです。
3年間のプロジェクト8名の教員がストックホルム市に雇われました。この8名の教員が、ストックホルム市の教員をコーチングするというのです。概要は以下のようです。

教科は、スウェーデン語、第2言語としてのスウェーデン語、数学、自然科学系の教科、英語。
コーチングをする8名の教員は、週の2日間を自分の学校で普通に働き、2日間教員をコーチングし、1日は研修日として働く。
コーチングされる教員は、希望制で義務ではない。
コーチングする教員は2名一組で学校を周り、6週間にわたって、教員や教員集団をサポートする。

 このコーチング制度悪くないとわたしは思います。日本での教員生活中に年に数回必ず教育主事の訪問や研究会などがあり、指導方法や授業のあり方について学ぶ機会がありました。でも、こちらの学校ではめったにありません。今年で教員4年目ですが、あったのは、昨年1回。1日教育検査局のほうから、検査がはいりました。でも、この場合は、授業を向上させるような研究会のような目的ではなく、学校法などで定められているように学校が運営されているかがみられるものです。そうなると少し意味合いが違うように思います。

 ただ、コーチングはあくまでも希望する教員に対してのようなので、コーチングを受けてもよいと思うような教員はたいてい謙虚で前向きなような気が・・・そうすると、本当に必要な教員は受けないような気も・・・ ちょっと意地悪ですけど、そう思いました。

 また、このようなコーチングをする側の教員は、ある意味キャリアを教員として積んでいくことにもなるので、その点でも肯定的であるとも思います。もしも、成果が見られるようであれば、さらに教員が増員され、プロジェクトも延長されるようです。今後が楽しみなプロジェクトです。